障害年金の給付を受けるための要件

障害年金を受給するためには幾つか要件があり、それを満たさなければ給付対象になりません。この記事では、障害年金の受給を受けるためには、どのような要件があるのかと、満たない場合の例外的措置について見ていきます。

もしも未納期間があったとしても特例によって受給対象になりえますから、まずは、じっくりと情報を集めていくことが大切です。

障害年金は種類によって要件が異なる

障害年金の要件を見る前に、種類について確認しておきます。種類によって要件の内容や給付額も異なってきますので、自身がどちらを申請できるかを考えることは大切です。種類としては2つの制度が存在しており、それぞれ「障害基礎年金」「障害厚生年金」として運用されています。

病気・怪我の初診日に、厚生年金の加入者は「障害厚生年金」、国民年金の加入者や他の一定の者は「障害基礎年金」の請求対象となるのが規定です。「障害基礎年金」では国民年金・厚生年金のいずれにも加入していない場合でも受給対象となる可能性があるので、年金未加入の場合にはチェックしておきましょう。

障害基礎年金の要件

国民年金に加入していた場合、または年金制度に加入していなかった場合には、こちらの制度が対象となってきます。受給するためには、3つの要件を満たす必要があるので、一つずつ見ていきましょう。まず、障害の原因である病気・怪我の初診日において、国民年金に加入していたことが1つ目です。

国民年金や厚生年金に加入していなかった場合でも、20歳未満であるか、60歳以上65歳未満の方で、初診日に日本に住んでいた場合には可能性があります。要件の2つ目は、障害等級が法令に定める1級あるいは2級と認定されたことです。

3級や4級の場合には残念ですが、この制度の対象になりません。最後に3つ目の要件ですが、こちらは国民年金の加入期間が重要になってきます。少々、複雑な条件が設定されているので、しっかりと確認しておきましょう。

最初に、初診日が20歳未満だったと言う方であれば、この要件は気にしなくて大丈夫です。20歳未満なら国民年金に未加入で、納付したことが無くても対象になってきます。20歳未満ではない場合には2つのパターンに沿って、受給対象となるかを考えていくことが必要です。

まず、初診日を含む月の2ヶ月前まで、保険料が納付あるいは免除されている期間が、公的年金の加入期間の2/3以上となっていること。この要件を満たさない時には、次のパターンに当てはまるかを考えます。初診日において65歳未満であり、なお、初診日を含む月の2ヶ月前まで、保険料の未納期間が直近1年間にないのであれば、要件を満たすと言うのが2つ目のパターンです。

こちらは特例として給付対象になってきます。以前まで未納期間が続いたとしても、初診日のある月までは、一定期間しっかりと納付していたようなケースでは、給付される可能性が出てくるでしょう。

障害厚生年金の要件

こちらは厚生年金加入者が対象となってくる制度です。要件としてはこちらも3つが存在しています。まず、厚生年金に加入している期間に、障害の原因となった病気や怪我などの初診日があると言うのが1つ目です。この制度では20歳未満かどうかなど、年齢を考える必要はなく、厚生年金に加入していた間に初診日があるかどうかを考えます。

2つ目の要件は、障害基礎年金の障害等級1級・2級に認定されていることです。1級や2級での給付対象となると、先述の障害基礎年金に加算される形で障害厚生年金を受け取ることができるので、頼もしい存在と言えるでしょう。

障害基礎年金と違う点として、こちらの制度では、障害等級が3級であっても、給付対象となり得るのは嬉しいポイントとなります。障害厚生年金においては、救済される範囲が拡大されているわけです。加えて、4級の場合には年金自体の対象にはなりませんが、障害手当金制度の適用が考えられますので、そちらを調べてみるのがおすすめとなります。

最後に3つ目ですが、こちらも障害基礎年金と同様に、納付期間が問題となってくるので、未納がある時には要注意です。初診日を含む月の2ヶ月前まで、保険料が納付あるいは免除されている期間が、公的年金の加入期間の2/3以上となっていること。

この要件に当てはまらない時には、次のパターンに当てはまるかを考えて下さい。初診日を含む月の2ヶ月前まで、保険料の未納期間が直近1年間にないこと。この納付に関する要件は、障害基礎年金と同一になっています。

障害認定日の要件

先述の通り、障害年金の受給には、一定の障害等級に認定される必要があります。そこで、この障害等級に認定されるのはいつなのか、と言う点が問題になってくるので見ておきましょう。障害基礎年金と障害厚生年金で、若干の違いがあるので要注意です。

はじめに両方の制度に共通して、初診日から1年6ヶ月を経過した日が基本的な認定日となります。1年6ヶ月を待たずに怪我・病気が完治した場合には、治った日が認定日です。この認定日において障害の状態にあることが、要件となっています。

障害基礎年金では、初診日から1年6ヶ月を経過した日の他に、20歳に達した時や、65歳になる前日までに障害になった場合にも認定を受けることが可能です。

他方、障害厚生年金では、初診日から1年6ヶ月を経過した日か、65歳になる前日までに障害なったケースの2パターンだけが設定されています。

ここで注意を要するのは、症状や障害のタイプによっては基本的な認定日ではなく、例外を考える必要がある点です。医療器具の装着や、一定の手術を受けた時には認定日が変わってきますので気をつけましょう。

「障害年金受給の条件とクローン病との向き合い方について」

障害認定日はケースによって異なる

治療に関して一定の事由が生じた場合には、例外として基本と異なる認定日が設定されています。例としては、初診日から1年6ヶ月までの間に、新膀胱の設置手術を受けたり、肢体の切断を行ったと言うようなケースでは、その手術・切断日が認定日です。

他にも人工透析が必要になったり、在宅酸素が欠かせなくなった場合にも、例外的な認定日が用意されています。一般的に障害の程度が重く、かつ、生涯にわたって影響が出るようなケースにおいて基本と異なる認定日が用意されていると言えそうです。

申請を考えている時には、障害認定日について確認しておくと良いでしょう。

困ったら社会保険労務士に相談

障害年金の要件については、やや小難しい言い回しがされていることもあり、少し不安に感じるケースもあるかも知れません。

そのような場合には、社会保険労務士への相談が選択肢です。社会労務士は障害年金を専門分野の1つとしており、要件への適合を確認したり、申請代行を担うこともできます。給付金の計算や障害等級の認定についてなど、障害年金に関しては検討したい点が多くありますから、専門家のサポートがあると、心強いものです。

「障害年金受給者が社会保険や所得税の扶養に入れる条件と扶養から外れた場合の対応は?」

関連情報⇒厚生年金と障害年金|http://www.sharoshi-office.com/basic/